花子がシャチの家族と過ごして幾日か経ちました。花子はユキちゃんやクマと毎日毎日遊び、とても楽しい日を過ごしました。でも、周りには花子の仲間達はいません。みんなどこにいるのでしょう。花子はふと、寂しくなるときがありました。
「花子ちゃん、なにを考えているの?」
ユキが花子の目をのぞき込みながら言いました。
「ユキちゃんは家族がいて独りぼっちではないけれど、私はこの広い海で独りぼっちなの・・・」
花子は少し涙ぐんで話しました。ユキは花子がかわいそうになりました。
 シャチの家族は北へ向かっています。花子には海の水が少し冷たく感じられてきました。花子はときどき、クマやユキちゃんの頭の上にはい上がってひなたぼっこをするときがありました。
 ある日、ユキのお母さんのマリが、離れたところに流れ藻が海面いっぱい漂っているのを見つけました。
「花子ちゃん、むこうに流れ藻がいっぱいあるわよ」
マリお母さんは嬉しそうに言いました。
「そんなにいっぱいあるの?」
花子は嬉しそうに言いました。もしかしてそこに仲間がいるかも知れないのです。
「いよいよお別れネ・・・」
ユキは花子に言いました。

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うみがめ花子



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その24