「へー!アカウミガメの花子ちゃん。私、スズメダイのアンナよ。ここは良いところよ」
黄色いハデハデのスズメダイは目をぱちくりさせながら話してきました。
「わたしベラのマユよ、あなた身体汚れてない?私、掃除屋さんっていわれているの・・・」
マユは花子の身体をつつきました。
 その後、次から次へと花子の前に挨拶に来ました。あまりにも多すぎて花子は誰が誰なのか分からなかったのですが、みんな気安い仲間であることだけは感じ取っていました。
 いつの間にか暗くなり始めていました。
「花ちゃん、いい寝場所に連れて行ってあげるよ・・・」
クマノミのアッシーが連れて行ったところは大きな流木に流れ藻が巻き付いている所でした。
 流木にはエボシガイが付いていました。小さなエボシカイは花子の食べ物になりそうでした。でも、今日はまだお腹が減っていません。
「ここがいいよ」
アッシーが流木と流れ藻の間に入っていきました。花子もその後をついて潜り込みました。流れ藻の隙間から黄色い魚の尻尾が見えました。きっとスズメダイのアンナだと思います。
 目を閉じた花子は久しぶりにのぞみちゃん達とジャンケンポンをして遊んでいる夢を見ました。

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その26