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うみがめ花子



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その27

 流れ藻の隙間をぬって太陽の光が海の中に差し込んできました。花子は潜り込んでいた流れ藻の中から顔を出しました。朝の太陽の光はまぶしくてたまりませんでした。
「おはよう!」
威勢のいい声が飛んできました。クマノミのアッシーです。
「よく眠れたかい花子ちゃん。今日はこのあたりを案内しよう。何でも、反対側のずーっと先に花子ちゃんの仲間がいるかもしれないと噂で聞いたんだ」
 花子はその言葉を聞いて気持ちが高ぶりました。仲間と出会えるかもしれない。
「さあ、出かけましょう!」
流れ藻の住みかから出てきた花子は早々に泳ぎ出しました。
「おはよう!」「おはよう!」
あちこちから声がかかりました。昨日出会った魚達です。
「おはよう!よく休めた?」
きんきらきんの声がしました。スズメダイのアンナです。
「早くからどこに行くの?」
「ずーっとむこうに仲間がいるかもしれない。だから探しに行くの」
「じゃあ私も暇だから一緒に行ってあげる」
スズメダイのアンナは勝手に花子についてきました。
 花子の後ろから甲羅をつつく魚がいます。ふりむくと掃除屋ベラのマユでした。
「掃除してあげるから私も一緒に行っていい?」
4匹で花子の仲間を探しに出かけました。