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うみがめ花子
 

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その3

卵から出た花子たちの上から砂が落ちてきました。まるい卵がペチャンコになり、花子たちがもがいたためでした。
 暗い砂の中で、もがきながら少しずつ上へ登っていきました。先を行く花子のあとに、のぞみちゃんたちも必死に登って行きます。
 「ガンバレ!もうすぐよ」花子はみんなをはげましました。
 1週間もたったでしょうか、花子の顔にすばらしい夜の風が吹きかけてきました。「みんな!登りきったわ」ついに地上にたどりついたのです。花子はしばらくようすをみました。そして安全をたしかめると砂の中からはいだしました。のぞみちゃんたちもあとにつづきました。そして、いっせいに海へ向かって休むまもなく走りました。
 その時です!浜の上にあるホテルのあかりがつきました。後れて出てきた仲間が数匹光へ向かってしまいました。「だめよ!そっちにいったら死ぬよ!」花子は大声でさけびましたがだめでした。
 そう、子ガメは光へ向かっていく性質があったのです。