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うみがめ花子



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「今日中に網の手入れはできるぞ。明日はこの網を仕掛けていっぱいエビを獲るぞ」
「ウミガメもかかるかもしれないぞ。ウミガメは美味しいからな」
漁師の人達は思い思いに話をしていました。そばには一週間前に食べた、干からびたウミガメの甲羅がありました。
 そんなことはつゆ知らず、花子たちはゆったりとしたときを過ごしていました。
「さとるさん、あそこの岩の中に大きな魚が眠っているよ」
花子はそばで昼寝をしていたさとるに語りかけました。
「あれはネムリザメさんではないかな」
めんどくさそうにさとるは言いました。ともかくいっぱいエビを食べ、おなかいっぱいのさとるは眠たかったのです。よしみちゃんもしょうようも岩の中に頭をつっこんで眠っていました。他の仲間達を見ると同じように昼寝をしていました。周りにいる魚たちもおなかいっぱいなのかゆったりと泳いでいました。
 翌日、陸の上では漁師の人達が網を船に積み込んでいる最中でした。
「今日はエビも魚もいっぱいとってくるぞ」
と漁師の人達は心がわくわくしていました。
花子はなにも知らずに海の中を泳ぎ回ったり、時には太陽の光でサンサン輝く海の上に顔を出したりしていました。なんともいえないいい気持ちなのです。しかし、危険はこくこくとせまってきていました。

その32