お腹一杯になった花子達はスズメダイのまりえ達にお別れを告げました。
「ここはいいところだけれども私達がいつまでも住むところではないの。私達は西の方へ行かなければならないの・・・」
花子はまりえ達に言いました。
「さようなら!元気でね・・・」
まりえ達は花子達を見送りました。花子達は西へ向かう海流に乗り、1匹、また1匹とハワイを離れていきました。
 花子達は更に大きくなり、甲羅の長さが70㎝を越えていました。もう直ぐ立派な大人になります。
 花子達はハワイから日本へ流れる海流に乗り、ゆっくりとゆっくりと泳いでいきました。太平洋のうねりのある波は花子には、ここちよいゆりかごみたいでした。ハワイの島々も見えなくなり、後は海流まかせの旅が続きます。イルカの群れが花子達をものすごい勢いで追い越していきました。
 サンサンと輝く太陽を背に受けて花子達はひたすら西へ向かって泳いでいました。目的地に着くのにいつまでかかるのでしょうか?
 ある日、5頭のマッコウクジラの家族と出会いました。
「私はアカウミガメの花子よ、あなた達はどこから来たの?」
「私はマッコウクジラのあゆみよ、お父さんのこうじとお母さんのとしこ、お兄さんのひでおとお姉さんのかおりよ。これから西の方にある日本というところに向かって泳いで行くの・・・」
花子は「日本」と言う言葉になにかしら懐かしさをおぼえました。
「私たちも西の方へ行くの、もしかしたら日本に行くかも・・・」
花子は心臓が高まりました。
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うみがめ花子



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その41