次の日の朝、花子は昨日会議に参加した半数のアカウミガメの仲間と日本の沿岸を南へ下っていきました。その中にはさとるもいました。のぞみちゃんは遠州灘へ、クマは他の仲間と北へ向い、みんなばらばらになってしまいました。
「さよなら、元気でネ!」
花子はのぞみちゃん達に別れを告げました。もうこれで会えないのでしょうか・・・?実は、何年か後に会えることを知らなかったのです。
 花子達は黒潮の本流を避けて南へ向いました。和歌山の沿岸を通り、四国の足摺岬をまわり、高知の土佐清水というところへ着きました。そこは休むのにはいい岩礁がいっぱいあり、いろんな魚達がいっぱいいました。ブリやカツオの群れも来ました。花子達は今夜ここで休むことにしました。その場所は潮の流れもなく、海草やサンゴもいっぱいあり、花子達が食べるものも一杯ありました。
「花ちゃんあれはなんだろう・・・?」
さとるが花子に言いました。さとるが指差すところには網のような大きなものが海の上までそびえていました。
「よし偵察にいこう!」
さとるは花子に言いました。
「行きましょうか」
好奇心の強い花子はさとるに言いました。
「まず、海の上に上がろう」
2匹は海面に上がり、大きな頭を上に突き出し呼吸をしました。そして見たものは、果てしなく続いているような大きな、大きなものでした。なんだろうと花子とさとるは思いました。

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うみがめ花子



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その45