さとると花子は大きなものに沿って泳いでいきました。その中にはブリの群れやカツオの群れも入って、中をグルグル泳いでいました。外には出られないのです。他にもいろいろな魚がいました。その周りを泳いでいるうちに、その中で大きなアオウミガメが死んでいました。呼吸をすることができず、おぼれて死んだのです。
「花ちゃん!これは危険だ!」
さとるは花子に言いました。
「何か分からないけれどみんなに知らせなければ・・・」
さとると花子は急いでみんなのいるところの瀬に戻り、教えました。
「向こうにとてつもなく大きなものがあるの、その中には魚達がいっぱいいて中に入ったら出られないの・・・。その中にアオウミガメが入って、息ができなくておぼれて死んでいたの。危ないからみんなその中に入らないで・・・」
「そうだ!中に入ったら出られないみたいだ。危険だ!」
花子とさとるは真剣にみんなに説明しました。
 それは定置網というもので、漁師さんが魚を獲るために仕掛けた網でした。息をするために海の上へ出ることができず、ウミガメやイルカ、クジラ等海の上で息をする生き物にとっては非常に危険なものでした。
 危険を脱した花子達は岩場で眠りました。海の上は静かです。花子は1時間か2時間おきに息をするために、大きな頭を海の上に出しました。その時ふと見上げると、大きな、大きな流れ星が夜空の半分ぐらい尾を引いて流れていきました。明日はどんな旅が待っているのでしょうか・・・?
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うみがめ花子



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その46