冬が来ました。東シナ海は北西の風が吹き、時には5mの波が浜辺には打ち寄せゴミがいっぱい打ちあがってきます。花子達が生まれた頃は海草や貝殻などが打ちあがっていました。しかし、今ではビニールやプラスティックなどのゴミで浜はいっぱいにです。花子達はどこにいるのでしょうか・・・?
 花子は屋久島よりはるか南の東シナ海にいました。そこは冬でも水温は23度を超えそう寒くはありませんでした。
 いつしか花子の周りには誰もいなくなりました。東シナ海に入ったらそれぞれ好きなところへ移っていったのでした。
「よし、もう一度潜ろう」
 花子はいっぱいに息を吸って潜りました。目的地は水深150m、大陸棚です。そこにはカニなど花子の好きな食べ物がいっぱいいました。そして適当な休憩場所の岩礁帯もあったのです。
見つけました! 大きなカニです! カニは花子から食べられないようにハサミを振りかざしましたが、そんなことはお構いなく大きな口を開けてぱくりと食べてしまいした。
「美味しい~!」
花子は一人でいても毎日が楽しく、月日はあっという間に過ぎていきました。
 何時しか冬も過ぎ、夏になりました。時々、他の仲間達と出会うこともありましたが、以前みたいに行動をともにすることはありませんでした。
 そして何度となく冬を過ごしているうちに体も大きくなり、故郷の砂浜が恋しくなりました・・・。
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うみがめ花子



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その49