親ウミガメ産卵期調査

目的

標識を装着することにより、個体の識別ができ個体数を把握することができます。個体数が分からなければ、保護をしていてもその動物が増えているのか減っているのか調べることができません。また、標識の装着により、ウミガメが1シーズンに平均3回産卵することが分かりました。ウミガメの大きさの測定や卵の数を数えることによって、1個体あたり何個の卵を産卵するのか調べることができ、大きいウミガメほどたくさんの卵を産むことが分かりました。

親ガメ産卵期


保護活動として、産卵場所が波打ち際や川のそば、人通りの多い場所であった場合は、卵が高波により流出したり、産卵巣が見学者に踏み固められて子ガメが出てこられなくなったりする危険性があるため、卵を掘り返して浜の上部の安全な場所(子ガメ保護柵区域)に移植します。移植の際には卵数を数え、移植先には牛パを同時に埋設してふ化期のふ化調査に備えます。
いなか浜での子ガメ保護柵区域の内と外では、産卵巣数に占める子ガメが脱出した巣穴の割合の差が著しく、子ガメ保護柵区域内の方が非常に多くの子ガメの脱出が確認されています。そのため、子ガメ保護柵区域内へ卵を移植することは将来のウミガメを護ることに繫がります。

成体調査

成体調査では、ウミガメの行動(上陸、穴掘り、産卵、穴埋め、帰海)を確認し、その時刻を調査票に記入します。発見したウミガメが産卵後であれば、左右前後肢の標識の有無を確認し、標識があれば番号を記録して、なければ新たに標識(P型タグ、PITタグ)を装着します。
ウミガメが動かない産卵後半は、甲長、甲幅を測定して、甲羅などの欠損やフジツボなどの特徴とともに調査票に記録します(産卵前半はウミガメが産卵を止めて海に戻る可能性があります)。産卵後は、可能なかぎり牛パを産卵巣に投入します。牛パとは約5cm角に切った牛乳パックに油性マジックで産卵情報(産卵日、TAG番号、卵数など)を書き込んだものであり、ふ化調査時の有益な情報源となります。

ご協力していただけること

卵の移植

ご参加いただいた皆様にはご協力いただくことは、主に卵の移植作業で、他にウミガメの行動の確認などを同行した調査員のお手伝いしていただきます。調査員一人で、成体調査と卵の移植を行うには非常に労力を要し、特に卵の移植は、巣穴を掘り返し、卵を丁寧に取り出し、安全な場所へ再び埋め戻すという大変な作業です。1巣移植すれば、約100匹の子ガメが助かります。皆様のお力で未来のウミガメを護りましょう!

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