一年飼育ウミガメ

一年飼育ウミガメとは、屋久島でふ化した子ガメを飼育設備の整った水族館などの飼育施設へ1年間の飼育を依頼し、育成したウミガメです。
1年間飼育されたウミガメは屋久島へ里帰りし、屋久島の浜より放流されます。
この様にある程度成長してから放流するヘッドスターティング(短期育成放流)を当館では1987年から行っています。

2017年PITタグ購入にご協力いただいた皆様へ ※現在は募集しておりません
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ヘッドスターティング(短期育成放流)

子ガメは、その生存確率が非常に低いとされています。ヘッドスターティングとは、最も外敵に襲われやすい子ガメの時期を飼育下で育成し、ある程度成長してから放流することにより子ガメの生存確率を上げることを目的とした放流方法です。
 しかしながら、このヘッドスターティングが生存確率向上に有効であるかは確認されておらず、また、子ガメの時期を飼育下で過ごすことを余儀なくされるため、子ガメが本来身につけなければいけない野生の行動を取得できず、自然の状態での繁殖には貢献できないのではないか?という疑問もあります。
 当館では長期的な見地から、飼育されたウミガメがどのようなルートを回遊し、親ガメになった際に放流した浜に戻ってくるかどうかを明らかにするために、放流前に一年飼育ウミガメの大きさ、体重を計測し、インコネルタグを左後肢と左前肢に、PITタグを左腹腔に装着して、放流しています。

放流後の再捕獲地

標識をつけて放流したウミガメが再捕(獲されること)されることにより、そのウミガメがどの海域を回遊しているかが推定できます。当館では1年間飼育した数多くのウミガメに1987年からインコネルタグを装着(PITタグ装着は2002年)し、放流してきました。その内5個体が半年から5年の間に、北海道、和歌山、屋久島、福井、沖縄で再捕されました。北海道で5年ぶりに再捕されたウミガメと和歌山で3年ぶりに再捕されたウミガメの大きさはほぼ同じぐらいで、寒い海域に生息したウミガメの成長は暖かい海で生息したウミガメよりも成長が遅かったことが分かりました。

装着数
200217
200315
200421
200516
200624
200741
200860
200948
201060
201153
201247
201347
201453
201547
201670
201755
合計666

再捕獲地
再捕獲地

2017年PITタグ購入にご協力いただいた皆様へ

2017年度にお申し込みのあったPITタグは、2017年8月18日に装着し、夕刻以降に放流しました。

(受付No.)17-01~17-05

受付No放流日PITタグ番号
17-012017/8/18392145000336365
17-022017/8/18392145000332544
17-032017/8/18392145000337317
17-042017/8/18392145000336080
17-052017/8/18392145000332446