子ガメ

アカウミガメの子ガメの大きさは全長6cm、体重は20gほどしかありません。
砂の中でふ化し、地表に脱出した子ガメたちは一目散に、流木やゴミなどの障害物を乗り越えて、
海へと向かい黒潮に乗り、アメリカ西海岸へと果てしない旅へ出ます。

2017年PITタグ購入にご協力いただいた皆様へ ※現在は募集しておりません
↑ウミガメ里親番号はこちらです↑

子ガメのふ化・脱出

孵化1
孵化1
孵化2
孵化2

産み落とされた卵は、砂中の温度によって異なりますが、45~75日でふ化します。子ガメは発生するときの砂の中の温度によってオスになったり、メスになったりします。 

孵化3
孵化3
孵化4
孵化4

ふ化した100匹前後の子ガメは砂中でもがき、地表から60cm下の砂中より上がってきます。子ガメたちは夜になるのを待っていっせいに出てきます。ふ化してから地表に出るまで1週間ほどかかります。

子ガメの試練

産卵巣の中でふ化を待つ卵は、巣穴に入り込んだシロアリやスナガニなどに食べられてしまったり、早朝に脱出してしまった子ガメたちはカラスやトビなどの標的になったりする場合があります。ただ、これらのケースは自然界の食物連鎖に含まれる出来事であり、ウミガメの減少の主たる要因とは言えません。
 屋久島では、人間に島外から持ち込まれ野生化したタヌキが増加しており、巣穴が掘り返されて卵や子ガメが食べられてしまう被害が目立ってきています。また、永田浜では大勢の見学者に巣穴を踏まれ脱出できずに死んでしまうことが問題となっています(→調査報告参照)。

子ガメを捕食したタヌキ
子ガメを捕食したタヌキ

生態解明のために

生態解明の手がかりとなることを期待し、当館では、屋久島でふ化した子ガメにPITタグ(体内標識:マイクロチップ)を装着しています。
屋久島で生まれた子ガメは、黒潮の流れに乗り太平洋を横断してアメリカ西海岸沖へ、さらに南下してメキシコ沖で成長し、日本に帰ってくると言われています。

アオウミガメの回遊
アオウミガメの回遊

しかし、親ガメになる確率は5,000分の1と言われています。よって、生態解明の手がかりになるPITタグは、できるだけ多く必要です。

現在、年間で1,000個体のPITタグ装着を予定していますが、その資金が不足しています。
そのため、当館では、子ガメの里親になっていただき、PITタグ購入にご協力いただける皆様を募集しております(→屋久島のウミガメの里親になりませんか?)。

装着数
2002184
2003285
2004413
2005719
20061120
20071152
20081187
20091091
20101150
2011840
2012928
2013620
2014317
2015305
2016327
2017240
合計10,878

2017年PITタグ購入にご協力いただいた皆様へ

2017年度にお申し込みのあったPITタグは、2017年8月26,27日の夜に装着し、その夜の内にいなか浜より、子ガメを放流しました。

(受付No.)17-01~17-11

受付No放流日PITタグ番号
17-012017/08/26 392145000337730392145000337113
17-022017/08/27392145000336238392145000333790
17-032017/08/27392145000336499392145000333544
17-042017/08/27392145000337337392145000336974
17-052017/08/27392145000336907392145000336773
17-062017/08/27392145000333089392145000327271
17-072017/08/27392145000337804392145000333357
17-082017/08/27392145000332344392145000336648
17-092017/08/27392145000332184392145000333976
17-102017/08/27392145000337355392145000336277
17-112017/08/27392145000337668392145000336945